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選択肢の多さ

2013.02.02(Sat) | EDIT

「明日もきっといいことがある」という希望を抱いて眠りにつく小学生は三割程度だという報告が、近年あったが、
もちろん数字を鵜呑みにして、単純に何かを結論付けできるものではないであろ。

でも大人の想像を超えた最近の子供の行動を解釈する上でのヒントになるだろう。
データに基づくものではなく、私の感覚によることを話すことは、はなはだ恐縮ではあるが、物の貧しかった40年前以前の日本では、少なくとも子供たちは「明日もきっといいことがある」と希望を抱いて眠りについていたような気がする。

この違いがあるとすればその原因の一つは選択肢の多さにあるのではないかと感ずる。「自分のやりたいこと。」「自分の欲しいものが。」絞り込む辛くなっているのではないだろうか。
子供に夢を与えることの出来ない世の中にしてはいけない、また子供に夢を与えることの出来ない大人であってはいけない。

算数オリンピックより

2013.02.02(Sat) | EDIT

算数オリンピックの過去の予選問題の変形を1問。
次の会話から答えを見つけてください。
お皿の上にクッキーが21枚あります。
A・B・C・D・Eの5人がじゃんけんで勝った順番に好きなだけクッキーを食べます。
A:お皿のクッキーの2/3食べたよ。
B:お皿のクッキーの半分を食べたよ。
C:お皿のクッキーの半分を食べたよ。
D:お皿のクッキーを全部食べたよ。
E:皆が違う枚数を食べたんだ
*「お皿の」というのはもちろんその段階でという意味です。
Eは何番目に何枚食べたかな?

考えかた
まず、Dが一番最後ということはわかります。
「半分食べた」という言葉からは、2の倍数分残っていたということがわかります。
この状態がBとCで2回。「2/3食べた」という言葉からは3の倍数分残っていたということが分かります。
即ちA・B・Cの食べる以前には2×2×3=12の倍数の枚数が残っていなければいけないということです。最初にあったのが21枚ですから、12の倍数を作るにはEに9枚食べてもらうしかないです。これでEが1番目に9枚食べたとしてもいいのでしょうが、他の人のことも考えて見ましょう。
もし(仮定)Aが2番目に食べたとすると、12×2/3=8 で残りは4枚。
次(3番目)にBかCが半分食べて、残りは2枚。
BかCのどちらかが4番目に半分の1枚を食べると、Dの分は1枚。
でもこれは「E:皆が違う枚数を食べたんだ」の条件にあわなくなります。
すなわち、Aが2番目に食べたという仮定が間違っていたことになります。
ということは2番目に食べたのは、BかCです。
ではAが3番目ではどうでしょうか?やっぱりだめですね。
1番目Eで9枚・・・・・残り12枚
2番目BかCで6枚・・・・・・残り6枚
3番目BかCで3枚・・・・・・・残り3枚
4枚目Aで2枚・・・・・・・残り1枚
5番目Dで1枚・・・・・・・残り0枚
という風に情報を整理していけばかなりのことまで分かるんですね。
今回もパズル的な問題を紹介しました。前号の復唱になりますが「なんだ。やってみると楽しいや」と算数・数学好きな子供たちが増えることを願ってのものです。

算数オリンピック問題

2013.02.02(Sat) | EDIT

算数オリンピックの過去の問題からの出題です。
AさんとBさんがお互いのテストの合計点数を推理しあいます。
条件C1:「Aさんの点数もBさんも0点ではなく、整数の得点です。」
条件C2:「AさんとBさんの得点差は100点です。」

発言1:少し考えたAさん。「Bさんの得点がわからない。」
発言2:それを聞いたBさん。「私にもAさんの得点がわからない。」
発言3:するとAさん「わかった!でも二人の得点があと1点でも多かったらわからなかった。」
A,Bの得点は何点ですか?

一見意味不明なこの問題は仮定法を使うことと規則性の発見が重要です。
発言1からわかること。もしAさんが100点を取っていたらBさんは200点だとわかりますね。BさんはC1より1点以上ですからAさんより得点が低く100点の差がつかないからです。
これでAさんは101点以上とわかります。「私は101点以上」といっているのと同様です。
発言2からわかることと。Aさんが101点以上とわかっているBさん。もし190点だとすると、Aさんが100点下にはなりようがないので、上の290点とわかります。Bさんが200点までであればそう推理できます。
  でも、そうできないのはBさんが201点以上ということです。
  「私は201点以上といっているのと同様です。
そのように考えていくと発言3で「わかった」といっているのは「私は300点以下」といっているのと同様です。「あと得点が1点でも多かったらわからなかった」というのはAさんの得点が300点だということです。

ではAさんが280点だったらどうでしょう。「あ!Bさんは380点だ」とわかるけど、「1点でも多かったらわからなかった」の条件は満たしませんね。
A300点 B400点が答えです。

この問題でお話した仮定法は、消去法にもつながり算数・数学では大きなパワーとなります。また同時に仮定法は「上手なたとえ話」として子供への説明法としての効果も持ちます。
(方程式とツルカメ算の話をしましたが、ツルカメ算もまさに仮定法ですよね。
「もし全部がツルだとしたら」の仮定に始まり、「足の数が合わないぞ」との話になり、仮定の違いを正して答えにたどり着くわけですから。)
それはたとえ話が概念的に非常に理解されやすいからです。「たとえば」とここでも言ってしまいそうになりますが、たとえ話は価値観の同じ同士であれば非常に分かりやすく、また異なる同士であれば誤解につながることもある即効性を持った説明手段なのです。ある先生の言葉「たとえば、おじいさんが・・」といったとき、先生の頭の中には一般的なおじいさん像が浮かんでいるわけですが、それは受け取り側の子どものおじいさんの年齢・職業・同居か別居か等様々です。
大人の世界でも、「だは、例えばあなたが当事者であったら・・。」などと使用されていますが、ことさら子どもの世界ではたとえ話は非常に理解につながり安いのです。
またこのたとえ話は、説明のみならず学習問題を解いていくのにも大変役に立ちます。
「置き換え」の手法なのですが、これは複雑な問題を単純化して考えることにもつながります。
考える過程で、また説明の段階でも役に立つのです。(当然ですよね。出題に対して回答をするという作業は、論理を伴う問題に関しては回答者が採点者に説明を行うことなわけですから。)

パズルとクイズ

2013.02.02(Sat) | EDIT

最近書店行きますと「大人のための算数」といった類の本が目に付きます。今世の中はクイズやパズルの絶頂時代のようで、テレビ番組にもその種のものを多く目にします。クイズとパズルの間には明確な分別は存在しないようですが、いわゆるクイズ的といわれる問題と、パズル的と言われる問題に区別はできるようです。クイズは知識のある人が強いのが当然で、(若干私偏見的ですが)人の知らないような知識に対しては「へー」と賛辞が送られています。(とはいえ4択の問題など知っていたではなく、複雑な類推により答えを発見されるケースもあり、私自身「へー」となっています。)
ただパズルは知識がなくても独創的な発想ができることで、簡単に解けてしまうこともあるので私自身大好きなのです。
またパズルに親しんで行くことで独創的な発想に磨きがかかるのも事実ですし、ことパズルに関しては子供と大人に差がないどころか、子供だから解ける問題も多いのです。
大人の方がそんなパズルで遊ばれることはすばらしいことだと思います。「子供のころには持っていた。そして常識を意識するあまりに退化した数理的論理力をよみがえらせた。」あるいは「あ!昔やった」なんて問題の発見に童心で取り組んで青春を懐かしみながら、新たに「青春のエネルギー」復活させた。といった世の中の流れを楽しく見つめております。
日常生活に役立つ何かが生まれてくるかもしれませんね。
そういう私も今月は意識して30冊以上の算数やパズルの本にチャレンジしてみました。

中学生からの質問

2013.02.02(Sat) | EDIT

先日、中学生諸君から質問を受けました。「数学を学び始めて出会う方程式の方が小学校で学ぶ鶴亀算(連立2元方程式と比較されます)なんかより優れているのではないか」と。

確かに比較すると私自身方程式で解いてしまった方が簡単で便利な気もします。そこである問題を彼らに出題しました。たとえば方程式は2元連立方程式であれば、二つの立式が必要ですが、その問題は4つの答えを求めるもので、4つの立式が不可能なものでした。

数の性質によって答えを求める出題だったのです。中学受験生時期であればスラスラと解いてしまったであろう彼らですが、便利な方程式を使うといった常識の罠にはまってしまって、なかなか答えが出せなかったのです。成長イコール退化でもあるとおっしゃる方もいらっしゃいますが、小学生の時期に数学ではなく算数としてあえて鶴亀算や何々算の類を学ぶのは思考力を伸ばすという大きな目的があるからなのだと感じたしだいです。


蛇足ですが、今の中国には算数という言葉はないようです。小学生が学ぶのは初等数学といわれるものです。教材を比較しましても私には優劣つけがたい異なりを感ずるものです。

プロフィール

科学の先生

Author:科学の先生
KIS科学研究所所長・元算数オリンピック委員・○○大学特命教授 子供数理教室主催
http://kismit.jp

スマホホームページは
http://kismit.jimdo.com/

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